特別養護老人ホームの待機者が52万人になりました


特別養護老人ホーム等への入居待機者が52万人になりました。

平成26年3月に厚生労働省が発表した数値です。

2年前の調査では49万人でしたので、2年間で3万人増えたことになり
ます。今後も増えていくことが予想されます。

地方自治体、世田谷区の統計ですが、特養等への入所希望を申請しても
すぐに入所できない入所待機者は、正確ではないかも知れませんが、約
4,000人だそうです。

過去の年間の空き状況から試算して、この4,000人が全員入所できるま
で、約30〜40年かかるそうです。

○ ○さんのお歳は分かりませんが、もし40歳以上の方でしたら、今す
ぐ自治体に入所申し込みの手続きをしないと、間に合わないかも知れま
せんよ。


実際のところ、入所は先着順ではありません。
自治体ごとに入所の緊急性、介護の必要性をもとに入所希望者に点数を
つけて、点数の多い順から入所許可となるらしいです。

Aさん85歳男性 要介護4 の場合
認知症の発症もあり、ほぼ24時間介護の必要性がありますが、点数は
100点中75点で、Aさんの順番の前に70人程度の入所待ちのかたがお
られまして、あと5〜6年程度はかかるそうです。

点数が低い理由は、同居の配偶者Bさん83歳がおられまして、Bさんは
要介護1ですが、同居の家族が介護できると判断され、緊急性がまだ低
いと判定されているためだそうです。

Bさんは要介護1の介護サービスを受けながら、ご主人の介護を続けて
おられるわけで、けっこう緊急性あるのではと思うのですが。

いわゆる老老介護と言うやつで、介護サービスを自分でも受けながら介
護もする。けっこう過酷ではないでしょうか。

総務省からの統計も発表されまして、わが国の人口は1億2千700万人
で16歳から64歳までの労働人口は約8,000万人で過去最低、65歳以上
の高齢者は約3,200万人で、これは過去最高です。
4人に1人は65歳を超える高齢者になってしまいました。


こうした増え続ける高齢者、そして介護が必要になる方にとって、介護
サービスが追いついていない現実があります。

他人事ではありません。○○さんの身内の方に介護が必要となった場合
に様々な問題がおきてくるのです。


横浜市都筑区在住 白石さん(仮名)48歳女性 にお話しを伺いました。

お父さん75歳が脳卒中で倒れて4年になります。
介護は他人に頼らず、自分でやると頑張っておられましたが、認知症も
進んできて、やはり自分ひとりでは限界があると思い、介護サービスを
利用しようと自治体に要介護申請をしました。

要介護認定がおりて、介護サービスを利用するためケアプランを作成す
る必要があります。
ケアプランを作成するのは介護支援事業所(いわゆるケアマネージャー
が所属するところ)ですが、自治体から介護支援事業所のリストをもら
い、上から順番に電話してみました。

まず第一番目、「手一杯なので」との理由で丁寧に断られました。
二番目、同じ理由で断られました。
三番目、同じ理由で断られました。
四番目、同じ理由で断られました。
五番目、同じ理由で断られました。
六番目、同じ理由で断られました。
七番目、同じ理由で断られました。

この辺で、白石さんはあせってきました。

八番目から三十七番目まで、同じ理由で全て断られました。

介護支援事業所のリストは40事業所しかありません。

三十八番目、電話にケアマネージャーさんが直接出られ、同じく申し訳
なさそうに断ろうとされましたが、その口調に一筋の希ありと直感し、
白石さんは食い下がりました。

とりあえず話しだけでも聞いてほしい。会って話しがしたい。と食らい
付き、そのケアマネさんと会って頼み込みました。

結果、なんとかしましょうと言う事になり、やっと引き受けてもらえた
のでした。


これは、ちょっと極端な例かも知れませんが、事実です。

自治体によっても違うと思いますが、将来的には、どこの自治体でもこ
んな感じになるのではと想像がつきます。


介護計画(ケアプラン)は、実は本人(ご家族)で作成することも可能
す。
ですが、介護保険制度の知識が必要となりますので、やはり最初はケア
マネージャーに作成してもらったほうが良いかと思います。

その後、制度の中身を勉強して、ご自分でケアプランを作るようになっ
たほうが何かと宜しいかと思います。

それでは、また。





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